最近は、特にマンション住まいでは、和室のない生活を送っている人が、むしろ多数はなのではないでしょうか。
かくいう私も、和室のないマンションに暮らしています。けれど、生活の中に「和」の要素、空間が欲しくなるのが日本人というもの。
和の小道具を生かした部屋作り
大ががりなリフォームをして、畳の部屋を作るという方法ももちろんあります。
けれどそれは誰にでも出来るものではありませんし、お金だけでなく、時間もかかってしまいます。そこでお勧めしたいのが、「和」の小道具を上手に利用して、洋室でありながら和の要素を持つ、安らぎの空間を作るやりかたです。
「和」の小道具にはどういうものがあるか、その種類別に使い方の例を紹介していきましょう。
屏風
まず、屏風。最近はオフィスだけではなく家庭でも、パーテーションを使うケースが増えているようです。要するに「目隠し」「間仕切り」がその用途ですが、日本には機能的なだけでなく、デザイン性に優れ、芸術性さえ備えた伝統的なパーテーション・屏風があります。
一般的なリビングのサイズなら「二曲(二つ折り)」の屏風が手ごろな大きさでしょう。もっと広い空間なら「四曲」「六曲」の大きなサイズの屏風を置けば、いっそう風格が出て、すばらしいインテリアになります。
「個室や寝室、あるいは、リビングの隅にワンポイントとして小さな屏風を置きたい」という方には、「枕屏風」がおすすめ。枕屏風と言うのは、ふつうの屏風より丈の短い、小さな屏風ですから、どんなシーンにでも邪魔にならず、小粋なしつらえになるはずです。
和ダンス
それから、和ダンス。和家具、とくにアンティークなものは、不思議と洋室との相性がばっちり。たとえばリビングに洋ダンスを置くと、なんだか所帯じみた、場違いな感じになってしまうでしょう。けれど、それが桐の和ダンスだと、とたんにおしゃれなインテリアになるのです。
大きなものだけでなく、小さな桐ダンスを小物入れ兼インテリアとして使う方法もあるでしょう。
同じように、長火鉢や丸火鉢、かわったところでは、「葛籠(つづら)」といった小道具も有効です。大きな葛籠をリビングの隅に置くだけでも、おしゃれで完全オリジナルなコーディネートが出来上がります。となると、畳も欲しくなってきます。
今はホームセンターなどでも、手ごろな値段で軽い畳を手に入れることができます。「半畳サイズ」のものもあります。畳を部屋の一隅に配すると、それだけで「小さな和室」ができます。そこに枕屏風を組み合わせたり、かわいい丸火鉢を置くという手もあるでしょう。
こうした「和の小道具」は移動しやすいものばかり。「模様替え」をしやすいというメリットもあります。
みなさんも、すべて洋室にそろえず、和のテイストを是非取り入れてみてください。きっと居心地の良い空間が出来上がりますよ。