私はマンション住まい。すべて洋室の間取りです。
ほんとうは和室が1つほしいと思っていたのですが、ほかの条件との兼ね合いから、和室のあるマンションは断念して、現在の物件を選びました。
マンションに住んでいる多くの方が、わが家とおなじような条件なのではないでしょうか。けれど、そこは日本人です。どこかに「和」のインテリアを加えて、くつろぎの空間を作りたい、演出したいと思うことはありませんか?
和の演出で洋室を和テイストに
私は特にその気持ちが強く、そこここに「和」の演出をしています。
具体的には、「焼き物」と「生け花」です。
この2つは、たとえそこが洋室であっても、一気に和の風を運んでくれます。
例えば老舗のホテルや百貨店で、空間自体は洋の空間でも、和風のお花を飾ってあると、一気に大正時代の和と洋が入り混じったような空間の演出ができますよね。それはもちろんお家でも可能なのです。
焼き物と生け花で和の質感を
焼き物は、つまり陶磁器です。私は特に信楽焼きと萩焼が好きで、茶碗や花活け、鉢などをインテリアとして活用しています。
たとえば、リビングの棚に萩焼の茶碗を1つ置いただけで、部屋にはっきり、「和」のテイストが加わります。また、玄関には信楽焼きの一輪挿しを常に置き、季節の「和の花」を生けています。今の季節なら、ワレモコウやススキ、リンドウ、「和の花」ではありませんが、コスモスを数輪、というのもいいでしょう。
ほかにも雪柳や小手鞠、都忘れなどなど。信楽の渋い一輪挿しなので、どんな花にも合い、やさしく来客を出迎えてくれるのです。もちろん私自身も、外出から帰って、その花を見ると「ホッ」とします。
萩焼の茶碗も、ただ棚に飾るだけではなく、道端で拾ってきた花を、水を張った茶碗に浮かべると、すてきなインテリアになってくれます。椿もいいし、山吹もきれいです。
季節を感じる部屋に
ほかにも、来客があるときにリビングを飾る花も和の花にして、信楽の花器を使います。洋室で家具も「洋」で統一していますから、そのワンポイントがかなり効果的。
お正月には信楽の大ぶりの花器に、菊や松、千両などをダイナミックに生けこむと、完全な「和のしつらえ」になります。
こういった季節を感じる空間というのは、四季の美しい日本の心ですよね。
洋室に合うシンプルなものをオススメ
洋室の部屋には久谷や伊万里などの絵模様の入った焼き物は、洋室にはどうも合わないような気がするのです。それより、無地で渋い、シンプルなもののほうが、「プロ」でない私たちにとっては、コーディネイトしやすいのではないでしょうか。
要するに「できるだけ意味を持たないデザインの『和』の小物」が、「洋」の空間にあわせやすいと思うのです。個人的な好みですが、四角いフォルムのもののほうが扱いやすく、おしゃれな感じになるように、私は感じています。
柄や色がそこまで和の雰囲気ではなくとも、その形や質感が十分に和を演出してくれるのです。
和室をすぐに作ることは難しいかもしれませんが、和の雰囲気は小物だけでも演出できます。
まずは自分のお好きな「和のテイストの小物」を見つけて、お部屋に飾ってみることをおすすめします。
最終更新日:2013年10月26日