浴室は一日の疲れを癒す憩いの空間ですが、一方で事故の起こりやすい場所でもあります。そのため、浴室をバリアフリーにリフォームすることはとても重要です。
バリアフリーと聞くと、お年寄りや、身体の不自由な方がおられる家庭を想像されるかもしれません。
しかし、小さな子供や妊娠中の女性にとっても、バリアフリー工事は意味があります。また、若い方、健康な方であっても、転倒などの危険がないとはいえません。
万が一のことがあった場合、お風呂は一人で利用することが多いため、例え家族が同じ屋根の下にいても、発見が遅れることが多いのです。加えて、裸という無防備な状態で利用することを考えると、事故は未然に防ぐのに越したことはありません。
以上のような理由から、浴室のバリアフリー化は重要であり、また、幅広い層の家庭にとって必要なものだと言えるでしょう。
浴室バリアフリーリフォームのポイント
浴室のバリアフリー化について重要なポイントの一つに、「転倒を防ぐ」ということがあります。
大規模なリフォームを行う予定があるのなら、システムバスなどの床材を選ぶ際に、水はけがよく、すべりにくいものを選ぶのがいいでしょう。
しかし、床の貼り換えやシステムバスの交換など、大規模なリフォームをするためには、費用も手間もかかってしまいます。そのような余裕がないという方は、床に専用のシートを貼ってはいかがでしょうか?
あくまで予算は目安ですが、例えばシステムバスの交換が100万円近くかかるのに対し、壁や床にシートを貼る場合は、10~20万円ほどで済ませることができるようです。
シートによっては、冷たくなりにくい材質のものもあり、浴室内の温度を下がりにくくする効果もあります。
浴室内の温度を暖かく保つというのも、バリアフリー化に際するポイントの一つです。
「ヒートショック」という言葉をご存じでしょうか?温度の変化によって、急激に血圧が変動することを指します。
特に冬、暖かい室内から寒い脱衣場や浴室、さらに熱い浴槽へと移動することによって、血圧が急上昇・急降下し、心臓発作などを引き起こす可能性があります。特に高齢者の方は、このような危険性が高いと言われています。
ヒートショックを和らげるためには、前述のように断熱効果のあるシートを利用するほか、浴室換気暖房乾燥機を付けるという方法もあります。
お風呂に入る際の手助けになるよう、入り口や浴槽の周辺などに、手すりを付けたいとお考えの方もおられるかもしれません。
システムバスをお使いの場合は、手すりを付けられる場所が制限されることがあるため、注意が必要です。
これからシステムバスを導入する予定のある方は、あらかじめ手すりの設置場所などについても、考えておかれた方がいいでしょう。
この他にも、浴槽のへりをまたぎやすい高さにするなど、バリアフリーのためのリフォーム内容は様々です。
浴室という場所の特性から、バリアフリー化は非常に大切です。
今は必要ないと思っていても、思わぬ時に役立つかもしれません。万が一の事故を防ぐためにも、検討されてみてはいかがでしょうか?