ここでは、最近注目されているキッチンのリフォーム2パターン、IHクッキングヒーターとアイランドキッチンリフォームについて、メリットやデメリット、費用などをご紹介いたします。キッチンリフォームをお考えの方の一助になればと思います。
IHクッキングヒーターへのリフォーム
システムキッチンのビルトインガスコンロを、IHクッキングヒーターに変えるリフォームは、主に安全面への配慮から選ばれることが多いようです。特に子供や高齢者がいる家庭では、火災が起こりにくいIHクッキングヒーターへの交換を検討する方が少なくないでしょう。
火災の心配が少ないという他にも、IHクッキングヒーターには多くのメリットがあります。
IHクッキングヒーターは、ガスではなく、電力によって加熱を行います。そのため、ガス漏れが起こる心配はありません。また、火による上昇気流が発生せず、空気が汚れにくいという利点もあります。
また、安定した加熱が可能という、調理面におけるメリットもあります。火力の低いイメージがあるかもしれませんが、実際には立ち上がりも早く、火力に不満を感じることも少ないと言われています。
また、形状がフラットなため、掃除がしやすいのも利点の一つです。以上のような特徴も、人気の理由と言えるでしょう。
IHクッキングヒーターのデメリット
ただし、IHクッキングヒーターにもデメリットはあります。
まずは、停電時に使えないこと。特に地震や台風などの非常時においては、復旧に長時間かかってしまうことも考えられます。その間使用できないということに、強い不安を感じる方もおられるでしょう。
また、調理器具がプレートに接していないと発熱しないため、鍋振りをすることができません。炎を使った調理法に慣れている方には、不便に感じることが多いかもしれません。
また、IH対応の調理器具をそろえる必要があります。既存の鍋などが使えず、新しいものを購入するとなると、その分費用がかさんでしまいます。
以上のようなデメリットも考慮した上で、リフォームをする必要があるでしょう。
交換には、IHクッキングヒーター自体の価格に加え、工事費がかかります。
IHクッキングヒーターのグレードや、どのような工事が必要かによっても費用の変動はありますが、ビルトインタイプの場合、IHクッキングヒーター自体は15万円ほどで購入できるようです。加えて必要な工事費は、5~10万円ほどになるのが一般的な価格のようです。
また、ブレーカーの容量が足りず、電力会社に容量アップの工事を依頼する必要が発生する場合や、専用回路として使える回路がなく、ブレーカーの増設工事が必要になる場合などもあります。
アイランドキッチンへのリフォーム
アイランドキッチンは、壁から離れたところに、流し台やコンロ、調理台などを置いた作業台のある台所のことです。壁にくっついていないため、島のように見えるというところから、アイランドキッチンと呼ばれています。
また、キッチンを二列にして、片方を壁に付け、もう片方を島状にすることもあります。
アイランドキッチンの利点は、まず「オープンである」というところでしょう。リビングにいる家族と会話をしたり、庭を眺めたりしながらの作業が可能です。また、360度どこからでもキッチンでの作業に参加することができます。家族や友人などとのコミュニケーションを深めるためには、適した形のキッチンと言えるでしょう。ホームパーティーをすることが多い方にも好まれる様式のようです。
加えて、見た目がお洒落であることも、アイランド型に憧れる方が多い理由の一つと言えるでしょう。
反面、リフォームに費用がかかることは、デメリットの一つと言えます。既存のキッチンをアイランドキッチンにリフォームする場合は、給排水管やガス管などの工事をする必要があります。また、島になった部分にコンロなど、加熱調理機器を設置する場合は、その上にレンジフードを取り付けなければなりません。
また、リビングから丸見えになるため、ある程度の見栄えの良さも求められます。加えてリビングとの一体感が強いことから、リビングの内装も合わせてリフォームする場合が多いでしょう。
更に、臭いや煙への対策も必要になるため、性能のいい換気機能を付けなければなりません。以上のような理由から、アイランド型へのリフォームは、どうしても費用がかさむことが多いようです。システムキッチンのグレードなどにもよりますが、アイランド型のシステムキッチン自体の価格が200万円ほど、加えて、キッチンの移動に伴う床などの補修や配管工事、取り付け工事、内装のリフォームなどに200万円ほどがかかると見込んでおかれた方がいいでしょう。
また、アイランド型キッチンを設置するためには、壁に沿ったキッチンよりも、広いスペースが必要になります。そのため、設置自体が難しい場合もあるようです。
アイランドキッチンは「見せるキッチン」という側面が強いため、キッチン周りをきれいに維持する必要があります。食後の片付けをどうしても後回しにしてしまう……という性格の方にとっては、あまり相性がよくない型かもしれません。
万が一、アイランド型が自分の家に合わなかった場合、別の型のキッチンにリフォームする費用もかさんでしまいます。実際に毎日使うことを考えて検討された方がいいでしょう。