家を建てると、それに伴っていくつかの税金を納める必要が出てきます。
家を建てること自体や、家具を買うことなどにもお金がかかりますが、マイホームを得るためにかかるお金は、それだけに限らないということをふまえ、余裕を持って資金を用意しておきたいものです。
また、一定の条件を満たしていた場合は、納める税金が安くなることもあります。払いすぎて損をすることのないよう、このような特別な制度についても、知っておかれた方がいいでしょう。
印紙税
家を建てるときには、ほぼ必ずと言っていいほど、何かしらの契約書を交わすことになるでしょう。具体的には、注文住宅を建てるための契約を住宅メーカーなどと結んだときや、住宅ローンを組んだ際に交わす契約書などが挙げられます。
この契約書を作った時に、「印紙税」を納付することがあります。印紙税は収入印紙を貼付し、押印や署名をすることで納付されます。
印紙税がどのような書類に課税されるのかは、印紙税法に定められていますが、ものによっては、課税文書かどうかの判定が難しいものもあるようです。
課税文書かどうかは、その書類のタイトルなどよりも、記載された実質的な内容によることとされています。
家を建てる際には、工事請負の契約書や住宅ローンの契約書、土地の売買契約書などの書類に、この印紙税が課せられることになるでしょう。
また、印紙税の税額は、契約書に記載された金額によって変わります。
この印紙税ですが、平成26年4月1日から平成30年3月31日までの間に作成される「不動産譲渡契約書」と「建設工事請負契約書」に関しては、軽減措置がとられており、やや税額が低くなっています。
なお、家を建てることと関係の深い契約ではありますが、住宅ローンを利用する際の契約書は「金銭消費貸借契約書」とされ、軽減措置は適用されません。
印紙税の一覧表(第1号文書から第4号文書まで)はこちら
→https://www.nta.go.jp/taxanswer/inshi/7140.htm
印紙税の軽減措置についてはこちら
→https://www.nta.go.jp/taxanswer/inshi/7108.htm
消費税
ものを買ったり、サービスを受けたときなどにかかる消費税。消費税率については、平成27年10月1日から10%に引き上げることが検討されていましたが、この引上げ時期が、平成29年4月1日に変更される予定となりました。
家を建てる際にも消費税はかかるので、増税前にマイホームを手に入れたい、とお考えの方もおられることと思います。
家を建てるときは、どのような場合に消費税がかかるのでしょうか。
たとえば、建物本体を買ったり、建てたりした場合には、消費税がかかります。
また、不動産会社への仲介手数料や、住宅ローンの融資手数料、司法書士への報酬なども、消費税がかかるものとされています。
反対に、土地を買ったときには、消費税はかからないとされています。ただし、造成や地盤の調査などを行った場合には、消費税がかかります。
基本的に、家を買ったときなどに消費税が課税されるのは、住宅の引き渡し時点とされています。消費税率が上がる前に家を買うための契約をしても、引き渡しが増税後であれば、上がった後の消費税率が適用されることになります。
しかし、注文住宅を建てる場合などには、契約から引き渡しまでの間に、何ヵ月もの期間がかかることがよくあります。
このような場合に、ある経過措置が適用されるようです。消費税率が上がる半年前までに、家を建てる契約などをした場合は、その引き渡しの日が消費税率が10%になった後であっても、8%の消費税率が適用される、というものです。
ちなみに平成26年4月1日に消費税率が5%から8%に引き上げられた際も、このような経過措置(平成25年9月30日以前に家を建てる契約をした場合は、引き渡し日の消費税率が8%であっても、5%の消費税率が適用される)がとられました。
家を建てる時には、多額の費用がかかります。金額が大きい分、消費税率の改正による差額もまた大きくなります。消費税等の額のことを考慮するなら、消費税率が上がる前に家を建てたいとお考えになる方は、少なくないでしょう。
しかし、親などからマイホーム資金を贈与される場合に適用されることがある「贈与税の非課税措置」については、消費税増税にあわせて非課税限度額が拡大される予定となっています。
また、増税直前は駆け込み需要のために、材料費や人件費が上がることが考えられる、という意見もあるようです。不動産の価格やローンの金利の変動も、この先どうなるかを予想するのは非常に難しいでしょう。
消費税率の改正による影響は、確かに小さなものとは言えません。しかし、消費税率が上がる前にとむやみに急いだ結果、最終的に「損をしたな」と感じる結果にならないとも限りません。
本当に「お得」に家を建てるためには、消費税率だけでなく、様々な要素に目を向ける必要がありそうです。
最終更新日:2015年3月23日