家を売却した時に損をした際の控除特例

ところで、マイホームを売却した際には、譲渡益が発生するとは限りません。反対に、譲渡損が出てしまうこともあるでしょう。

譲渡益が出た場合は、前述の通り、その分にかかる税金を軽減できる特例がいくつか設けられています。では、マイホームを譲渡して損が出た場合に使える軽減措置はあるのでしょうか?

マイホームを譲渡して損が出た場合については、以下のような特例があります。
マイホームを買い換える場合は「マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」、買い換えない場合は「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」という制度を利用できる場合があります。
これからマイホームを手に入れようと考えている方にとっては、特に買い換える場合の特例に興味がおありでしょう。

利益が出た場合のお話は下記を参照ください。
→ 家を売った時にかかる税金-譲渡所得とその控除特例

マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

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平成27年12月31日までにマイホームを売却し、新しいマイホームを購入したときに、古いマイホームを譲渡したことによって譲渡損が発生したという場合は、一定の要件を満たしていれば、その損失をその年の給与所得など、譲渡所得以外の所得から控除することができます(損益通算といいます)。

また、損益通算をしても控除しきれなかった場合は、譲渡の年の翌年以後、3年内に繰り越して控除をすることができます(繰越控除といいます)。
この特例を利用するためには、譲渡する家や敷地が、譲渡の年の1月1日において所有期間が5年を超えるものであることなどの要件を満たしている必要があります。

その他の要件や手続きについては、国税庁のウェブサイトなどで確認することができます。

この制度に関する国税庁のウェブページ
https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3370.htm

なお、買い換えない場合に利用できる「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」もやはり、譲渡損を損益通算や繰越控除することができるというものです。
なおこの特例は、住宅ローンが残っているマイホームを売却する場合に利用することができます。
要件や手続き等については、国税庁のウェブサイトで確認することができます。

この制度に関する国税庁のウェブページ
https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3390.htm

マイホームを売却した際の譲渡所得については、以上のような特例が設けられています。

ところで前述のとおり、課税譲渡所得を導き出すためには、譲渡によって得た代金から取得費を控除する必要があります。この取得費については、建物について「減価償却」をしなければいけない点に注意が必要です。

家はいつまでも新築時のきれいな状態を維持できるわけではありません。たとえ非常に手入れが行き届いていたとしても、日々使用していることや、時間が経って古くなることで、一般的には価値が下がってしまうと考えられます。

そこで、取得費から経過年数分の減価償却費を引いて、減価償却をする必要があるとされています。マイホームの減価償却費は、以下の式で求めることができます。

減価償却費=取得金額×0.9×償却率×経過年数

償却率については、木造の場合は0.031、鉄筋コンクリートの場合は0.015とされています。

たとえば3000万円で購入した家を、3000万円で売却したとしましょう。このとき、3000万円引く3000万円はゼロになるから譲渡益は発生しない、と思ってしまうかもしれませんが、取得費として控除できるのは3000万円ではなく、そこから建物の減価償却費を引いた金額です。思いがけず譲渡益が出ているかもしれません。

ちなみに、人に貸していた住宅などの減価償却費については、減価償却の方法が変わってきますのでご留意ください。
また土地については、古くなっても価値が下がるということがないので、減価償却は必要ありません。

なお、以上のような譲渡所得に関する特例を利用する場合は、必要書類を添えて確定申告をする必要があります。
サラリーマンなど、普段は確定申告をする必要のない方は、特に注意された方がいいでしょう。

なお、税制は毎年改正があり、以上にご紹介した内容についても変更がなされる可能性があります。
このような特例を利用したいとお考えの方は、官公庁のウェブサイトなどで、都度最新の情報をチェックされることをおすすめします。また、税務署などの専門の相談窓口を活用されるのもいいでしょう。

また、いち早く改正内容を知りたいという方は、毎年の「税制改正の大綱」を確認されるといいでしょう。ほぼこの大綱の通りに税制改正がなされるのが、通例となっているようです。

「税制改正の大綱」は、財務省のウェブサイトなどで確認することができます。

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この記事は編集チームが作成しました。
公開日:2015年3月23日